取扱説明書の冊子から原稿・イラスト・ページのアイコンを経て見積書と電卓、コインへつながる図と、タイトル「取扱説明書の作成費用はどう決まる?」

取扱説明書の作成費用はどう決まる? 見積で見ているところと、費用を抑えるコツ

当方では、メーカーから取扱説明書の作成を受託しています。お問い合わせをいただくと、最初に話題になるのはやはり費用です。ただ、取扱説明書の作成費用は製品によって大きく変わるため、ご相談の内容をうかがってからお見積りをお出ししています。

この記事では、費用の目安と、お見積りのときに当方が見ているところ、費用が上下するケース、費用を抑えるために依頼する側でできることを紹介します。外注したときの流れや、依頼の前に準備しておきたいものについては、「取扱説明書の作成を外注するときの流れと、依頼前に準備しておきたいこと」で紹介しています。

費用の目安

当方の場合、A4・50ページ規模の取扱説明書を新しく作るときで、約40万円〜が目安です。ページ数の少ない製品では、30万円〜の事例もあります。

この金額には、原稿の作成、イラストの作成、レイアウトまでが含まれます。印刷は別に手配が必要になるため、別料金です。

当方は少人数で直接対応しているので、営業や多重下請けの中間コストがかかりません。また、文章を書く作業とレイアウトの作業を分けずに同時に進めるなど、工程を一つずつ順番にではなく並行して進められるので、その分コストを抑えられます。

既存の取扱説明書の改訂や、数ページだけのご依頼も承っています。この場合の最低料金は1万円前後です。

お見積りで見ているところ

費用を左右するのは、主に次の5つです。

取扱説明書の作成費用を左右する5つの要因:ページ数が多いか少ないか、イラストの数が多いか少ないか、製品の難易度、元になる原稿や情報(仕様や図面データなど)、制作に使うソフト(WordやIllustratorだと工数増)

図 取扱説明書の作成費用を左右する5つの要因(テクニカルらいたー作成)

見ているところ 費用への影響
ページ数 ページが多いほど、書く量もレイアウトの量も増えます
イラストの数 点数が多いほど工数がかかります。人物が入るイラストは、特に手間がかかります
製品の難易度 製品が複雑になると、説明することが増え、それに合わせてイラストの点数も多くなります
元になる原稿や情報 情報がまとまっているほど、こちらで新しく書く量が少なくなり、費用は抑えられます
制作に使うソフト InDesignのようなレイアウト専門のソフトだと安く、WordやIllustratorで作ると工数が増えて高くなります

ページ数とイラストの数は想像しやすいと思いますが、意外と大きいのが、元になる原稿や情報がどの程度そろっているかです。製品の情報が整理されていれば、当方はそれを読み手に合わせて組み立て直すことに集中できます。反対に、情報が散らばっていると、それを集めて確かめるところから始めることになります。

費用が下がるケース、上がるケース

前のモデルの取扱説明書がある

前のモデルの取扱説明書があると、それを流用して作れるので、比較的安くなります。変わった機能や操作だけを書き直せばよいからです。

見積のあとで仕様が変わる

お見積りは、その時点での仕様をもとに出しています。開発の途中で仕様が変わると、すでに作った部分を直す手間がかかるので、その分の費用が加わります。

制作に使うソフト

取扱説明書は、InDesignのようなレイアウト専門のソフトで作るのが一般的です。文章とイラストを決まった位置に並べたり、ページをまたいで体裁をそろえたりするのが得意なので、効率よく作れます。

一方で、「社内で直せるようにWordで作ってほしい」「社内のデータに合わせてIllustratorで作ってほしい」といったご依頼もあります。どちらも対応できますが、工数が増える分、費用は高くなります。

Wordは文章を書くには便利ですが、イラストの多いページを思いどおりに組むのには向いていません。図の位置がずれたり、ページの区切りが変わったりしやすく、整えるのに時間がかかります。Illustratorは図を描くためのソフトなので、1枚もののチラシや図には向いていますが、何十ページもある冊子を作るのには向いていません。ページをまたいで文章を流したり、目次やページ番号をまとめて管理したりするのが苦手で、そこを手作業で補うことになります。

修正の回数

お見積りには、校正4回分までの修正を含めています。その回数を超えても、明らかに当方に原因がある場合や、少しの修正であれば柔軟に対応します。

一方で、お見積りのときと比べて修正の範囲が明らかに増えた場合は、追加料金をいただいています。また、納品したあとの修正は、別途お見積りになります。

翻訳、Webマニュアル、取材などの費用

翻訳・多言語版

翻訳もあわせてご依頼いただけます。日本語版を作るのと同時にご依頼いただくと、スムーズに進められます。レイアウト専門のソフトであるInDesignで作ると、あとから多言語に展開しやすい構造にしておけるからです。多言語版を作るときの流れは、「JIS・IEC・EN IECに対応する、多言語展開の取扱説明書の制作フロー」で紹介しています。

Webマニュアル

紙やPDFの取扱説明書と一緒に、Webマニュアルを作ることもできます。その場合は、PDF版が完成してからWebのコーディングに進むほうがスムーズです。内容が固まる前にWeb版を作り始めると、修正を両方に入れることになるからです。

取材

実機を確かめたり、開発の担当者にお話をうかがったりするために取材に伺う場合は、交通費と取材費を別にいただいています。

お急ぎの場合

お急ぎのご依頼も、基本的にはお受けしています。内容によっては別料金になる場合があるので、まずはご相談ください。

著作権と作例の掲載

作成した取扱説明書の著作権は、納品のときにお客様へ譲渡します。

なお、作例として、差し支えのない範囲で当方のサイトなどに掲載させていただく場合があります。その場合も社名は出しません。掲載を控えてほしい場合は、お知らせください。

改訂や一部だけのご依頼

数ページだけの改訂など、一部だけのご依頼も可能です。

改訂の費用は、修正がその部分だけで済むのか、全体を見渡して、ほかにも影響する部分があるのかを判断したうえで決めます。たとえば、ある操作の手順を1か所変えただけでも、その操作が別のページの説明や注意にも出てくるなら、そちらも直す必要があります。最終的には、修正の量によって費用が変わります。

費用を抑えるためにできること

依頼する側でいちばん効果があるのは、最初に修正の範囲を決めておくことです。

修正の範囲がはっきりしていれば、費用も正確に出せます。反対に、校正のたびに新しい修正が加わっていくと、その分の費用が積み重なっていきます。改訂のときは特に、どこを直すのかを社内で最初に決めてからご依頼いただくと、結果として費用を抑えられます。

また、「お見積りで見ているところ」で書いたように、製品の情報がまとまっているほど、こちらで書く量が少なくなります。仕様書や前のモデルの取扱説明書など、手元にある資料はできるだけそろえていただくと助かります。

お見積りのときにあると助かるもの

お見積りをより早く、正確に出すために、次のようなものがあると助かります。

  • 製品の概要:どのような製品で、どのような人が使うのか
  • 実際の製品の写真:形や操作する部分がわかると、ページ数やイラストの数を想像しやすくなります
  • メーカーが作った取扱説明書:英語や中国語のものでもかまいません。海外メーカーの製品では、元の取扱説明書が大きな手がかりになります

まとめ

  • 当方の場合、A4・50ページ規模の新規作成で約40万円〜(原稿・イラスト・レイアウトを含み、印刷は別料金)。ページ数の少ない製品では30万円〜の事例もある。改訂など一部だけのご依頼は最低1万円前後
  • 費用は、ページ数、イラストの数(人物が入ると工数が増える)、製品の難易度、元になる原稿や情報がどの程度そろっているか、制作に使うソフトで変わる。InDesignのようなレイアウト専門のソフトなら安く、WordやIllustratorだと工数が増えて高くなる
  • 前のモデルの取扱説明書があると安くなり、見積のあとに仕様が変わると費用が加わる。見積には校正4回分までの修正を含み、納品後の修正は別途
  • 翻訳は日本語版と同時に頼むとスムーズ。WebマニュアルはPDF版の完成後に作るとスムーズ。取材の交通費・取材費は別途、急ぎは内容によって別料金
  • 著作権は納品時に譲渡する
  • 費用を抑えるには、最初に修正の範囲を決めておくこと。校正のたびに修正が増えると、費用が積み重なる
  • お見積りには、製品の概要と写真、メーカーの取扱説明書(外国語でもよい)があると助かる

当方では、取扱説明書の新規作成から既存の取扱説明書の改訂まで対応しています。お見積り・ご相談は無料です。お気軽にお問い合わせください。


※金額は目安です。製品の内容やご依頼の範囲によって異なります。

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